2020年7月22日のアルティメットパワーで新色として登場してから、今に至るまで”最弱”と罵られ、最弱の名を欲しいままにしていた黒が遂に環境に一矢報いる。
ブロッカーで相手のリソースを枯らし、質量で圧し潰す。"勝てる黒"として話題を呼んでいる「OZブラック」を紹介。
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もくじ
バトンタッチ
OZさんは国立大卒で、僕は偏差値41の超越バカ大学卒(万年国・英成績 2)。なので、僕が文章を綴る必要性は一切ありません。マジで。なので、ここからはOZさんが作成した文章をまるまる貼り付け私は画像を挿入し、英数字が全角だったら半角に変換する機械となります。
はじめましての方ははじめまして。横浜~秋葉原間をメインに活動している OZ(@s60145016_oz)と申します。
今回は、私がバトルオブオメガ発売直後から調整を続け、一つの完成形に至ったと自負している【黒軸のコントロールデッキ】(OZブラックじゃねーのかよ!)について紹介します。
先日開催された4月24日のぐぅデジ杯と川崎ホビステのテイマーバトルで使用し、約8割の勝率を誇った構築を基に、構築理論・採用カードの取捨選択理由等を解説していきます。
また、現状判明しているダブルダイヤモンドの収録カードを見据えた、6月以降の新環境での本デッキの立ち位置についても考察していきたいと思います。
デッキレシピ
ガチ度:
Lv.2:4枚
- ST7-01 ギギモン ×4
Lv.4:4枚
Lv.5:4枚
Lv.6:16枚
Lv.7:10枚
テイマー:8枚
オプション:8枚
「黒」の現状と強み
黒は相手の勝利条件を能動的に満たさせなくするテーマ
詳しくは後述しますが、私は「デジモンカードゲームは本来、守備側が有利なゲームである」と考えています。
その為、ブロッカーを大量に擁し、ほとんど研究も進んでいない黒に可能性を感じ、今回のデッキを考案致しました。
デジモンカードゲームの最終目的は一部のイレギュラーを除き「対戦相手のセキュリティ
を全て消滅させ、プレイヤーへのアタックを成立させること」です。これを阻害するブロッカーの重要性は今更語るべくもありません。
任意の回数のアタックを成立させる為には、相手がブロッカーを1体出す度に、2体のアタッカーを用意しなければならない訳ですから、デジモンカードゲームは本来、守備側が有利なゲームであると考えることが出来ます。
黒には、相手の勝利条件を能動的に満たさせなくする能力があると考えています。
従来の黒デッキの特徴と黒の強み
現状のカードプールにおいて、皆さんは「黒」というデッキにどのようなイメージを持たれているでしょうか。実際に組んで回してみると、このように思われる方が多いと思います。
- 再起動や退化が、アクティブにする効果や除去と比べて使いにくい
- 順当進化だと、多色の速度についていけない
- ジャミング再起動で序盤から積極的に殴っていく個性は、青に盗られた
このように、他色デッキと比較して「不遇」と言わざるを得ないネガティブなイメージが付きまとうのが正直な所かと。
アルティメットパワー環境から黒を考え続け、これまでに様々な構築やカードを試してきましたが、どうしても他色の劣化にしかならない事が多く、苦悩しておりました……。
そんな黒にも唯一、多色には無い強力な個性があります。それは「レベル6以上のブロッカーの存在」です。
環境における黒の立ち位置
「レベル6以上のブロッカー」だけでなく、大量のブロッカーを擁する黒が環境で勝てないのは何故か(ここで言う黒とは、一般的な順当進化のデッキとします)
前述した「守備側が有利」という理屈は、以下の2点を満たすことが必要条件であり、今の黒にはそれを十全に満たす力がないからです。
- 相手のアタッカーよりもDPで上回っていること
- 相手よりも先に、高DPのブロッカーを場に出す
DPを上げる手段としては、オプションやテイマー等もありますが、基本的にはデジモンを
究極体まで進化を重ねていくことが一般的です。
しかし黒には、黄色のスターモンズやメガログラウモン・緑のライラモン・紫のカオスデュークモン等の展開途中で相手の展開を妨害する効果も、黄色の絶光衝や緑の吸収進化等の自分の展開を加速させる効果も、黄色の高石タケルや緑のテントモン・紫のバクモン等のキーカードを引きにいく効果も満足にありません。
他色よりも育成に圧倒的なハンデを抱えているわけです。
にも関わらず、究極体の性能も他色と比較して突出したものではありません。このことから一般的な構築では、相手よりもDPで上回ることはおろか、相手よりも先に盤面を形成することはほぼ不可能であり、黒が不遇・環境で勝てないと言われる理由がお分かりいただけたかと思います。
今回のデッキ構築の背景
一般的な順当進化では未来がないことは先述の通りです。では順当進化以外の構築を考え
てみると、まず思い当たるのがアグロや究極体コントロールです。
コマンドラモンを主軸とした黒アグロもちらほらと見かけはしますが、実際に使ってみて青緑や黄緑軸のアグロに勝る強さがあるようにも思えませんでした。
究極体コントロールに目を向けてみると、黒が目指したい「DPで上回り、相手のアタッカーを封殺する動き」と、コントロールの「相手にリソースを吐き出させて、それを究極体やオプションで捌き切る動き」が、嚙み合うのではないか。という考えに至り、黒軸のコントロールデッキの構築を模索することとなりました。
黒軸コントロールのゲームプラン
究極体コントロールをベースに黒を組むと話しましたが、具体的にどのようなゲームプランを想定するべきかと言うと、基本的には一般的な究極体コントロールと同じです。
ただし、相手の展開への対処の仕方に違いがあります(※以降、「一般的な究極体コントロール」を「究極コン」・「黒軸コントロール」を「黒コン」と呼称します)
究極コンのサンプルレシピ
究極体コントロールデッキレシピ・バトルオブオメガ環境大会結果まとめ
表示速度を高速化させる設定を施しています ...
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究極コンとは
そもそも究極コンがどういったデッキなのかあまり馴染みがない方もいらっしゃるかと思いますので、そういった方に向けて簡単に解説します。
デジモンをバトルエリアに出すには、既に場に出ているデジモンを「進化」させるか、手札から「登場」させるかの2通りがありますが、デジモンカードゲームではデジモンを「登場」させるよりも「進化」させた方が消費するメモリー数が少なく、より強いデジモンが出せるようにデザインされています。
その為、一段階ずつ「進化」を重ねていく事が一般的なのですが・・・敢えて究極体を「登場」させることを前提に構築されたデッキが、究極コンです。
究極コンとの差別化
究極コンを相手にする際、究極体まで育てる事はあまり得策とは言えません。究極体まで育てても、セキュリティへアタックした場合に高い確率で消滅する為です。
1枚のセキュリティを削る為だけに、貴重なリソースとメモリーを消費することとなり、リソース切れを引き起こしやすくなります。
その為、究極コンを相手にする場合、低コストのデジモンを大量に並べる立ち回りが有効であると言われています。
そこで有効となるのが、守備側の優位性です。
大量のブロッカーによって、究極コン相手に有効であるはずの横に並べる立ち回りを否定し、ブロッカーを処理する為に相手が究極体まで育てたとしても、セキュリティでの処理が可能となります。「ブロッカーの特性」と「究極コンの特性」が互いの弱点を補完し合い、相手のプレイングミスを誘発させる。これが、黒コンの強みです。
各カードの採用理由・役割
メカノリモン
黒を握る理由その1。単体でLv.3のアタックを封じることが出来る。
それだけでも十分強力なのですが、八神太一と組み合わさることで無類の強さを発揮します。
DPが7000まで上昇し、トゥルイエモンやベジーモン等のDP6000ラインのアタックを封殺出来るようになります。これはレベル5以上でしかアタックが出来なくなることを意味し、アグロ相手にはこれだけで勝利がほぼ確定します。(スターモンズやピノッキモン等の存在もあるので注意は必要)
一般的なデッキ相手にも、レベル5以上まで育てるかあるいはメカノリモンの処理を強要させられ、中盤以降のゲームメイクに非常に貢献します。
考察:BT5-062 C メカノリモン
色 黒 Lv 4 登場コスト 4 進化コ ...
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アンドロモン
2021年4月24日に参加したぐぅデジ杯はアグロが多い読みだったので、ブロッカーを増やしたかった&ズワルトでの蘇生枠の追加が当初の主な採用理由でした。
しかし、実際に使ってみると究極体までのメモリー消費を節約したり、アタックが出来ないメカノリモンを進化させてリーサルを崩したりと細かい活躍がありました。
ただし、これは「黒のレベル5」の使い勝手が良かったという意味なので、環境やプールの追加によって入れ替わっていく枠となります。
考察:BT2-061 アンドロモン
もくじ1 収録2 関連リンク 収録 UL ...
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バンチョーゴーレモン
4/24の環境で多いと予想していた、青インペやエンガルのメタカードとして採用しました。
相手が3体以上のデジモンを展開した場合、DPが14000まで上昇する為、八神太一が引けていなくても相手の攻めを封殺出来る点を評価しました。また、相手に3体以上の展開に圧力をかけることで、ガイアフォース等の単体除去が強く刺さるようになります。
考察:BT4-073 バンチョーゴーレモン
もくじ1 収録2 関連リンク 収録 グレ ...
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クレニアムモン
黒を握る理由その2。
同系統のコントロール系デッキや紫相手はクレニアムモンを処理する手段がほとんどありませんので、クレニアムモンを出すだけでかなり優位に立つことが出来ます。
DP12000のブロッカーはクレニアムモンのみで、太一と組み合わせて究極体のアタックを抑制したり、セキュリティから捲れても相手の究極体を消滅させることが出来る等、幅広い活躍が期待出来るカードです。
考察:BT3-075 クレニアムモン
もくじ1 収録2 関連リンク 収録 ユニ ...
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ブリウエルドラモン・ハイアンドロモン
オメガモンと一緒に先行で初手に握りたいカード。
先行で出した場合、何色が相手でもほぼ処理されない為、次ターン以降、オメガモンで場を制圧しやすくなります。DPも12000ある為、クレニアムモンと同様、セキュリティから捲れても究極体を消滅させることが出来ます。
考察:BT2-064 ハイアンドロモン
もくじ1 収録2 関連リンク 収録 UL ...
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考察:BT3-072 ブリウエルドラモン
もくじ1 収録2 関連リンク 収録 ユニ ...
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オメガモンAlter-S
1枚で相手の場を崩壊させるだけのスペックがあり、雑に使っても強いです。
相手のデジモンを弱体化させることは、こちらのブロッカーの制圧力が高まることに直結しますので、一気に勝ちに近づくことが出来ます。
考察:BT3-112 オメガモン Alter-S
もくじ1 収録2 関連リンク 収録 ユニ ...
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オメガモンズワルトDEFEET
セキュリティから捲れた時の強さは語るべくもありませんが、このデッキにおいてはレベル6から進化させることも可能な為、究極コンと比べると、素引きがそこまで痛手ではありません。
特にブリウエルドラモンから進化してブロッカーとなったDEFEETの汎用性は非常に高く、DP13000ブロッカーの上にDPで上回っても相手のデジモンを1体消滅させます。
状況に応じて積極的にブロックやアタックを仕掛けていくことが出来ます。
考察:BT5-112 SEC・P オメガモンズワルトDEFEAT(ディフィート)
色 白 Lv 7 登場コスト 15 進化 ...
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オメガモンズワルト
メカノリモンで相手のテンポを崩すことが、メインプランの1つであるこちらの動きに対し、相手が「リソースを消費してメカノリモンを処理し、横に展開してくる」場合にズワルトでメカノリモンを蘇生させる動きが非常に強力です。
中盤以降に不意に出てくるメカノリモンの処理は意外にハードルが高く、相手が攻めあぐねている間に、ズワルトで盤面を制圧していきます。
考察:BT5-087 SR・P オメガモンズワルト
色 白 Lv 7 登場コスト 15 進化 ...
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八神太一
DPで上回ることが重要なブロッカーの強さを底上げするカードです。重ね引きも強く、主な恩恵は以下の通りです。
1枚 | メカノリモンが、レベル4以下のアタックを封殺出来る。 クレニアムモンが、レベル6のアタックを抑制出来る。 |
2枚 | メカノリモンが、一部のレベル5のアタックまで封殺出来る。 バンチョーゴーレモンが、レベル7のアタックを抑制出来る。 |
3枚 | メカノリモンが、レベル5以下のアタックを封殺出来る。 カオスモン:ヴァロドゥルアームで、レベル6が処理されなくなる。 |
考察:BT2-089 R・P 八神太一
もくじ1 良いところ・強み・メリット2 ...
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八神太一&石田ヤマト
相手にレベル6以上の展開を抑制することで、ブロッカーの制圧力を高めます。
重ねて引くとメモリーが7~9スタートといった状況も起こりやすく、究極体登場のリスクが激減します。
大量にオメガモンが採用されている関係で攻めの場面においても重宝します。
率先して期待するものではありませんが、オメガモンズワルトDEFEETと併せてセキュリティから捲れると何の消費もせずにいきなり攻めに転ずることが出来るようになり、あっさり勝ちを拾えるゲームも存在します。
考察:BT5-093 R・P 八神太一&石田ヤマト
色 白 登場コスト 4 効果 自分のター ...
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各オプションカード
オプションの選定基準は「ブロッカーを超えてくる相手の究極体を効率的に処理が可能でかつ汎用性が高い事」です。この条件を満たすものの中で、環境や好みに併せて、柔軟に変えていく枠となります。
ギギモン
パンを食べてたり、気合入った顔でとつげきしていたりと可愛いです。
赤オプションカードの条件を満たすために採用しているので、赤のLv.2ならなんでもいいのですが、フェイントに使えるものを選択するのがいいでしょう。ギギモンなら一瞬「デュークモンかな?」と錯覚させられます。
各環境デッキへの立ち回り
黄色
序盤にメカノリモンを出すと比較的容易に処理され、そのまま横に並べられて負けるのでなるべく温存することが重要です。絶光衝で計算が崩されることも多いので、かなり立ち回りが難しいですがこればかりは割り切りかなと思います。
ロードナイトモンデッキサンプルレシピ!メタ環境のドドド本命!
千葉の兵「うーる(@wool_azuma ...
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緑
究極体をレストされてバンチョースティングやニーズヘッグを投げられると、かなり不利になりますが、逆に言えば主な負け筋はそれくらいです。ライラモンを丁寧に処理していくことを意識します。
紫
レベル5以下を処理する手段は豊富なので黄色同様、メカノリモンをなるべく温存します。紫側の除去手段が全て消滅なのでクレニアムモンと並べられるなら積極的に出していきます。
カオスデュークモンデッキ ズワルト・ディフィート採用型のレシピ紹介
2021年3月7日(日)にオンラインで開 ...
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コントロール系
デッキの構成上、相手の主なアタッカーはDP10000以下です。その為、ひとまずブロッカーを出しておけば攻め負けることはあまり有りません。基本的にはこちらが有利なので、なるべくクレニアムモンを場に出すまで相手のセキュリティには触らずにどっしり構えることで勝率が安定します。
アグロ
余程事故らない限りほぼ負けませんが、スターモンズやピノッキモンでリーサルをずらされることもあるので、メモリー管理を雑にやらないように注意が必要です。
6弾環境での立ち位置、立ち振る舞い
「アグモン-勇気の絆-」や「ガブモン-友情の絆-」を中心に、全体としてかなりゲームスピードが速まることが予測され、大量にメモリーを渡してしまうと一気にゲームエンドまで繋がってしまうリスクも高まるのではないかと感じています。
その為、今回紹介している構築そのままでは対処が難しいかもしれません。
とは言え、環境が変わることで今まで見向きもされなかったカードが、突然メタとして注目されるようになるのはカードゲームの醍醐味でもあります。
例えば、現環境ではデジバーストで進化元を自ら破棄する為、退化がほとんど有効打となりません。しかし、現状判明しているカードを見るとデジバースト持ちのカードはおらず、寧ろ進化条件を無視してワープ進化するカードが増えています。この場合、これまで評価が低かった「退化」の評価が一転し、環境に対する有効打となり得ます。
コントロールデッキは、環境に併せて、柔軟に採用カードを取捨選択出来ることも魅力の一つです。数あるカードの中から最適解を模索していくことで、6弾環境でも十分に通用していくと思います。
ブロッカーを主体に、盤面を制圧したい人におすすめ!
4月24日に構築を公開して以来、テイマーバトル等で使用いただいているという報告を複数聞いて非常に嬉しく思います。「ブロッカーを主体に、盤面を制圧したい」と考えている方には是非一度、触ってみていただきたいです。
そして、使ってみての感想を直接、私に伝えていただけるのであれば、これ以上に幸福なことはありません。