「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆(以降ラスエボ)が上映されました~~~!」
が、2020年2月21日(金)のお話。もう1年以上前なんですが、文章で残しておきたかったんだよな~の雑記。「観た時に書いとけよ!」って言うよね。僕は仕事・趣味だったりで、10年近くブログ更新をしているんだけど、ラスエボ公開当時は超・丁度悪く前ブログの閉鎖直後で「いや~今書くのはちょっとな~笑」という微妙な時期だったのね。
でーーーまぁ、今またサイトを運営してて、しかもそれがデジモンのサイトで、加えて5月28日に発売するデジモンカードゲーム新ブースター「ダブルダイヤモンド」で「アグモン-勇気の絆-」「ガブモン-友情の絆-」が注目されているので、ちょうどいいんじゃねーかなと。
では、いざ!!
もくじ
盛大な前フリ「tri.」
もーいつのことかハッキリとは覚えていないけれど、「デジモンの映画まだやるぜ!」を示唆したのが、前作「デジモンアドベンチャー tri. 第6章『ぼくらの未来』」(以降tri)の上映後で、そこで「まだ頑張る!」的な告知があったと思うんね。
その時は「もう十分だよ、がんばったよ! ありがとう! だからもう……太一達を休ませてやってくれ!」と思ったんですよ。
こう言っちゃアレだけど「素直な気持ちだから言わせてくれ!」のノリで綴りますが「tri.ってけっこ~酷かったよな」ってちゃんと思っていたんですよ。
ここでゴモゴモして「まあ面白かったよね」ってボカしたらそれって嘘っしょ、わざわざ自分のブログに書かなくていいっしょそれ。
「よかった」「好きだよ!」って人も勿論いるじゃないですか。勿論俺も「俺が大人になってからデジモンが映画になって超よかった」し「良かったよ、やっぱ太一もアグモンも大好き!」と思っていた、ちゃんと「デジモンが好きだからtriも勿論愛してる」派なんですよ。メイクーモンがポケモンでもよかったし、地味眼鏡が大好きだから望月芽心の誕生には心震えた、太一の正妻、いいじゃないか、太一、俺と趣味が一緒じゃないか。
ここら辺は当時書いてたブログで50,000文字くらい書いてたんですけど、消しちゃってるので残念。
だけど「面白くはないでしょ。面白くないもんは面白くないでしょ」って。事実を改ざんしたら本当におもしろいもんに失礼じゃん。
絵は動かねーわ、注目されてた02キャラを雑に扱うわ、ダンシングターイムでまさかの静止画だわ、実写じゃないのに背景が4パターンくらいしかないわ、空がムゲンドラモンにビターーーンって叩きつけられているのに超元気だわ、ストーリーよくわかんねーわ、マーシフルモードは無慈悲だわ、何回Butter-flyとbrave heart流すんねん何分に1回のペースだよ、進化バンクが無限に続く、結局ハックモンとアルファモンって何がしたかったんだよ、単純にテンポ悪い、口にはしなかったけど、そんなことも考えた!
最終章に近づくたび「三章までは最高だったんだよ……」と嫁ちゃんに語っていた思い出。「いつかなんて待ってたら、あっという間に大人になっちまうよな」のセリフにはド肝を抜かれた、友達と3人で観に行って全員で号泣、あっという間に大人になっちまったよ……。
比べるもんじゃないけど「君の名は。」の方が1,000倍面白くて感動した。2016年頃あったじゃないですか「アニメ映画が今熱すぎるんですよ!」の風潮、その中でtriは決して上位じゃなかった。
繰り返しになるけど「事実を改ざんしたら本当におもしろいもんに失礼」だと思うからtriには適正な評価を与えたいと常々思う。
「おもろいもん」
そう、本当に面白い作品「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆」にね
上映当日絶対観に行けない問題
tri効果に加えて「最後の進化だ~~~!」ってCMが刺さってなくて
「これファイナルファイナル詐欺かましてくるやつじゃん、どうせオメガモンの新形態に進化させて都合よくアグモン消滅させてButter-Flyのバーゲンセールしてサラッと終わらせて来るんだろーーがよォ!」と斜に構えてた。期待値はドン底に近い状態。
でもtriは全作公開初日に観に行っていたので、ラスエボもその気でした。
だがしかし、公開日翌日の2020年2月22日(土)が自分の結婚式でして、ど~~~~しても当日は無理となったわけですわ。
「のび太の結婚前夜」みたいに前日友達と飲みに行くとかま~ないない。無理、前日は最終チェックで切羽詰まってるし、どこかに一人で出かけてくるとか言える空気じゃない、行けない。
仕方ないので2月29日(土)に観に行くことに。そこまでの1週間は「せめて少しでも楽しめるように……」と、SNSでは「デジモン」をミュートワード指定。ネタバレとの闘いが始まる。
コレ書いておかないと「デジモン愛警察」に「当日に観に行かないとかニワカ」って叩かれるし、俺の感情が揺れ動く要因の1つでもあるので、蛇足と解りつつ綴る。
やっぱヤバいん(悪い意味で)じゃないの!?
上映一週間くらい前、2chまとめか何かで流れてきたのが「デジモン終わる」「ウォーグレイモン台無し」的な、とんでもねぇデジモンヘイトな奴だったんですね。
そのまとめ記事はちゃんと読んだ。どんだけヤバいかを事前に知っておいて、心の準備をしたかった。そこにはアグモン-勇気の絆-、ガブモン-友情の絆-がーーー。
「……ヒャ」
無意識に変な声がでた。マジかよデジモン、ど……どどおどどどどどおどうしてだよ。人間じゃん。
自分、初めて映画館で観た映画が「ナッティ・プロフェッサー」だったんですよ、エディ・マーフィのね
その次が「もののけ姫」で、次が「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム」だったんだけど、オメガモンを初めて目にした時カッコいいが過ぎて、その場で立ち上がっちゃった。デジモンって、オメガモンって、ウォーグレイモンって、それくらいカッコよかった。
オメガモン=超神デザイン。世界一かっこいい
ウォーグレイモン=かっこいい!!!嫌いな男の子はいない
メタルガルルモン=イイ!機械ワンコいいね!ブルーのボディーがイカしてるね!
それが……何をしたら……。どうしたら、こうしちまうんだよ!? 思い出を壊すようなマネしてんじゃね~~~~!!! と怒りすら湧いた。
ドン底から地中に勢力を拡大しようとする期待値。俺は映画館で涙を流すだろう、その涙の意味は……? 不安が増幅する。
これが俺たちの最後の……
「デジモン映画」は「デジモン映画メンツ」で観るのが通例だ。
デジモン映画メンツは、大学の後輩、小学校の幼馴染、そこに俺を加えた3人。
3人で集まり映画館へ向かう。3人共映画の評価や感想の類は一切見ないようにしていたが「デジモン終わる」「ウォーグレイモン台無し」的な情報だけは共有していた。
「せめて……綺麗に終わらせてあげてほしいね」なんて、介護疲れで安楽死選びますみたいな会話をしてスクリーンの前へ。
映画が始まる
・
・・
・・・
・・・・
「え!?!?!?!?」
最初っからそうしろデジモン
目の前にあるのは「tri」とは全く別物。「これはデジモンなのか!?」と疑ってしまう程のハイクオリティ神作品。
俺の映画ランキングがどんどん更新されていく
クールランニング、アバター、アラジンを秒で抜き去る
シュリを一瞬で置き去りに
君の名は。、最強のふたりを抜く!
あん!
フォレスト・ガンプ!
アルマゲドン!
もう前には一作しかない。
そして「湯を沸かすほどの熱い愛」を過去のものにしたーーー。
「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆」……オメエが最高の作品だ……。
上映直後、俺達3人は上野のHARBSでミルクレープを貪りながら泣いた。枯れるまで泣いたはずなのに思い出すとまだ涙がでた、とにかく泣けた、オタクが3人ケーキを貪りながらボロボロなく異様な光景。これがラスエボの威力。涙ながらに嫁ちゃんへのLINEからどれだけ感動したか伝わるだろう。
いや~、もう、言いたいことここに全部書いてあるから、書くこともうないな……。
なんか……こう、太一とアグモンっていいなぁ、コレだな~って思ったわけですよ。誰だってそうだったじゃないですか、太一と同じ経験したことあるじゃない。意図してか、無自覚かは置いて、大人になるために大事なものを失ってきたよね。生きるって取捨選択の連続じゃん、異性の目が気になるから~って子供っぽい趣味をやめたり、「やるべきこと」で「やりたいこと」ができなかったり、仕事でいっぱいいっぱいで学生時代の友達と疎遠になったり、その時々大事なものがあるけど、ずっと大事で一緒ってのは中々できることじゃないじゃない、そういうのって人生頑張れば頑張るほど距離ができるってか違う方向に進んでいっちゃって、いつの間にか「あれ? どこにやっちゃった?」ってこと、あるじゃないですか。丁度前週の結婚式で幼少中高大社の友達を前にしてそんなことを思ったばかりだったんですね、その時なんとなく思っていたことがラスエボをみてまとまった。
大事なものをアグモンに置き換えて、自分を太一に置き換えてラスエボを観る。
自分が、自分のために、自分本位で捨ててしまったものが「君の成長が見れてうれしいよ」と言うわけですよ。カァ~~~アグモ~~ン! 小学生の自分がデジモンに出会った時「人生で1番好きなもの」だなって思ってたわけですよ、そこから1年、2年、3年、4年、5年と歳をとって、高校に進学する時に「もうそういう歳じゃないな~」って「周りの目を気にしたのが4割」「人生楽しみたかったから他のこともしてみたいが6割」で、デジモンから距離を置いたわけですよ、そこからメチャクチャいろんなことして、ドンドン年を取って、バンバン大事なものが増えていって「人生で1番好きだった」デジモンの上に「もっと好きな何か」がいくつも積みあがっていったわけですよ。人って「誰かに認められる」ことが人生の目標の1つじゃないですか、親に、家族に、学校の先生に、友達に、異性に、恋人に、職場に、世間に、何かに認められたいから頑張るわけじゃないですか、その気持ちがないヤツはいないじゃない。俺もそうだったから、スゲー好きだったデジモンを捨てて、捨てたことも忘れて、人生頑張ってたわけですよ、で、十数年経ってちょっと落ち着いてデジモンのこと思い出して「デジモンはもう俺のこと忘れちゃったよな」って振り向いたら、まだそこにいてくれたわけよ! このラスエボという作品。自分の大好きだったものが自分を承認してくれるんですよ。もう、このアグモンに認められるなんてのはオタクにとっては最高の栄養よ。後ろめたい気持ちが一気に晴れる、なんだよラスエボ、なんなんだよデジモン、この作品、最高じゃないか。
書くことメッチャあったわ。
その他の良かったポイント
弛みがない
triって「思い出の切り売り」「1.5時間×6かけたButter-Fly、brave heartの盛大なMV」だったじゃないですか。めちゃくちゃ無駄が多かった。
「これは1作か2作にまとめられるだろ!?」と思っていたわけですが、ラスエボは完璧だった……。一切無駄がない、未練たらしく同じ曲を何度も流さない、Butter-Flyの押し売りをしない、弛みがなく次の展開が常に気になる、まさかの展開でいいところで過去作リスペクトのサプライズ、新挿入歌はRADWIMPSにお願いしたのかと錯覚するほど作品に合っている
いいねいいねいいねいいねの怒涛のいいねラッシュ、いいねが止まらない。
早稲田と明治かよ
ヤマトが早稲田で、太一は明治かよ。二人ともめちゃくちゃいい大学行ってて嫉妬した。ばっちり実力がある人間に成長したんだね。
で、太一がスゲー進路に悩むじゃないですか「やりたいことが~」って、最終的には外交官になる道を選ぶわけだけど、太一は進路を自分で選べる実力を身に着けていて、進む道を選べた。太一はデジモンを通して「選ばれし子供たち」から「選ぶ大人」になれたんだねって。
個人的に最高だった「ホルモン焼き屋」のシーン
も~超細かいところまでは覚えてないんだけど、ここのシーンは素敵だった。
2人でサシ飲みしちゃうのかよ。大学3-4年生が大人かどうかはわからんけど、2人が年取ったことがわかる場面だった。
あんなに小競り合いする仲だったのにね、わかるよ、もう21くらいになったら普通にそういうのめんどくさくなって、好きな友達には素直に接するよね。エロ本のシーンも同様。
無茶しなかった
今までのデジモンだったら「これも見せなきゃ!」「これも!」「これもやらんと!」で全部詰め込んで台無しにしてたと思うんだよね、全部の進化ちゃんと書いて進化バンクちゃんと用意して、上映時間の半分は進化バンクです! これが見たかったんでしょ? みたいな、そういう無理をしなかった。結果話がちゃんとまとまっていた。まさかウォーグレイモンですら出番がないとは。
よくよく見ると絆の姿もあり
映画を観る前は「クソダサ思い出ファッキンデジモン」だと思っていた「アグモン-勇気の絆-」と「ガブモン-友情の絆-」も、一回喉元過ぎさらせて、人の姿に近づいた理由を知ると「大分あり」になった。
それどころか渡辺けんじさんイラストはメッチャかっこいい……。
ダブルダイヤモンドのメインを飾るとのことで「人を選ぶから相当かっこよくないときついぞ……」と心配していたが、これまたかっこいい。
これが俺の最後の感想だ!
「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆」は、デジモンを知ってさえいれば誰でも楽しめる作品だった。きっと俺の中でもうこれを超える映画は産まれないでしょう!
だって、も~これからの人生でデジモンよりハマれて寄り添う時間が長くなるコンテンツはないでしょ、多分もう余白がない。
こんなご時世で仕事も大変だし、結婚で人生のステージ変わったから、やらなきゃいけないことも無限にあるし。
そんな人生の節目のタイミングで出会うには、これ以上ない最高の作品だったな~と1年経った今でも思います。
ありがとう「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆」、これからもよろしくねデジモン!