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おれでじ 6b | フィリピン
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おれでじ 7b | 精神浸食
あらすじ
母の帰省で訪れたフィリピン、空港でカバンごと全デジカを盗まれる。
なんて不幸。12歳、小学生の経済ではどうにもできない絶望、小のげん、天に向かい慟哭すーーー。しかし、俺の辞書「俺ディクショナリ」の1ページ目見開きには「七転び八起き」が記されている。
悲しみは面白おかしくネタにするしかない……。夏休み明けの教室でクラスメイトにロストバゲージエピソードを語る、そうしている内に「あいつ空港で荷物盗まれた」という小咄は小学校で少しずつ噂になっていった。
あまり間が空いた記憶がない、直後、本当にすぐの出来事だったと思う、小学校一年生からの同級生「イワキリ君」がこう申し出た。
「俺さ、デジモンカード沢山あるから、あげるよ」
！？！？！？！？！？
役3000枚のデジカ資産、こういうものは本当にいらないクズカードが相場だがとんでもない
環境の中心にいる黒インペの基盤パーツ、失ったマグナギミック、そして往年の最強カード争いはやめましょうが3～4デッキ分
小のげんは4年後、中のげんになりこのゲームで全一になるが、思い返せば「争いはやめましょう」を大量に入手したことで弟にも行き渡り、調整環境が充実したことが大きかったと語る。
件のイワキリ君はその後も深い友情で結ばれることになる。
が、中二の2学期で引っ越してしまい疎遠になるーーー。
が、1年後、高校受験の面接待ちで隣の席に座っており奇跡の再開を果たす、再会から高校入学まで毎日バドミントンを嗜み、同じ高校・同じテニス部に入部し、ダブルスペアとして青春を謳歌し、同じ大学に進学するのであった。
が、マンモスFラン大学で別々のコミュニティに所属してしまい、大学生活中まるまる疎遠となるーーー。
が、4年後、当時付き合ってたメンヘラ女に振られ船橋の市内をとぼとぼ闊歩していると奇跡の再開を果たす。
再会から数年、私達は何をするにも一緒だった
が、2016年頃に私が付き合っていた女がめちゃくちゃ嫌な奴でイワキリ君は「あいつとは会いたくねーな」と言い残し姿を消し……疎遠となるーーー。
その1年後、とんでも女に振られた私が肩を落としていると再び連絡が、またまたまた奇跡の再開を果たす。
そこからは本当に色々なことをした……私の妻や遊戯王の仲間も絡めて沢山遊んだ、一緒に猫をもらいに行った、結婚式もあった、新デジカの初期は一緒に始めたり……
2021年の末頃だったか、イワキリ君は猫を飼いだした、この時期私の友人が「我が家の猫ちゃん（刃牙くん）」かわいすぎる問題に触発され、猫を飼いだす事案が連続したがその流れだった。
2022年2月19日、イワキリ君の猫（なっちゃん）による精神浸食は深刻化する。
このLINE以降、今日に至るまで約3年、私は彼の姿を見ていない、姿どころかLINEの返信すらない日々が続いた。本気で心配しているので一度彼の実家を特定し（小学校の同級生だからね）突撃したこともあったが会うことは叶わなかった……。思えば小学一年生からの仲で、学生時代は毎日のように遊び、社会人になってからも月3～4ペースで遊んでいたのに、私がイワキリ君の家に行ったことがないというのは異常だったのかもしれない、私は私のことを彼には伝えていたが、彼のことは知ろうとしていなかったのかもしれないな……。
思い返せば彼には躁と鬱のフェーズがあったのかもしれない、定期的にいなくなる次点でおかしかったのだろう。イワキリ歴によると鬱期間の最長は3～4年、私の予測がただしければ今年か来年には彼は姿を現すだろう、その時は敵か味方か……。
話を小学生の私のデジカに、イワキリ君のおかげで私のデジカ資産は喪失前の倍、逆にパワーアップした。
次回「一心堂、三度目の正直」
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